牡蠣が海のミルクと呼ばれる理由について

牡蠣,イメージ

牡蠣は、古くから「海のミルク」と呼ばれてきました。

この美しい呼び名は、見た目の白さだけでなく、牛乳にも匹敵するほどの高い栄養価に由来しています。

実際、牡蠣には人間の体に必要なビタミン・ミネラル・たんぱく質がバランスよく含まれており、まさに「海の恵みを凝縮した食品」といえるでしょう。

以下では、牡蠣が「海のミルク」と称される理由を、栄養学的な観点から詳しく解説します。

目次

栄養価の高さが「海のミルク」と呼ばれる最大の理由

牡蠣には、牛乳と同様に豊富な栄養素が含まれています。

中でも注目すべきは、次の5つの栄養素です。

たんぱく質 ― 良質ながら中程度の含有量

牡蠣100gあたりのたんぱく質は約5g。

牛乳(約3.2g/100g)より多く、筋肉や細胞の修復に役立ちます。

一方で、青魚などと比べると中程度の含有量で、「高たんぱく食品」ではないものの、バランスの良い栄養源といえます。

ビタミンB12 ― 神経や血液を支える“突出した含有量”

牡蠣の最大の特徴の一つが、ビタミンB12の豊富さです。

100gあたり約16µgを含み、これは成人の1日推奨量を大きく上回ります。

ビタミンB12は神経機能や赤血球の生成に欠かせない栄養素で、貧血予防や集中力維持にも効果的です。

参考サイト

牡蠣にも種類がたくさん?「海のミルク」の豆知識 – たべる・そだつ・いきるを応援!こどもみーる kodomo meal

亜鉛 ― 「亜鉛の王様」と呼ばれるゆえん

牡蠣は亜鉛含有量がずば抜けています。

100gあたり約38mgを含み、数個食べるだけで1日の必要量を満たせるほど

亜鉛は免疫力の維持、肌の健康、ホルモンバランスの調整、味覚機能の維持などに不可欠で、現代人が不足しやすいミネラルの一つです。

鉄・セレン ― 血液と抗酸化のサポート役

牡蠣100gあたりの鉄分は約5.8mgで、ヘム鉄として吸収されやすい形態です。

貧血気味の方や、月経のある女性にもおすすめ。

また、セレンは体内の抗酸化酵素を助け、老化防止や免疫機能の維持に役立ちます。

カルシウムとビタミンD ― 牛乳よりは少なめ

カルシウムは100gあたり約44mgで、牛乳(約113mg/100g)より少なめです。

ただし、鉄や亜鉛など他のミネラルと併せて摂ることで、相乗効果が期待できる点が牡蠣の強みです。

また、ビタミンDは含まれる量にばらつきがあり、「特に多い」とは言えません。

なお、日本の牛乳はビタミンDを添加していない場合が多く、この点でも誤解されやすいので注意しましょう。

オメガ3脂肪酸 ― 心血管と脳を守る海の栄養

牡蠣にはEPAやDHAといったオメガ3脂肪酸も含まれています。

100gあたり約0.39gで、青魚には及ばないものの、心臓や血管の健康維持・抗炎症作用が期待できます。

日常的に魚介類をあまり食べない方にとって、牡蠣は貴重なオメガ3源です。

消化と吸収 ― 効率よく栄養を取り入れられる食品

牡蠣の栄養素は、体に吸収されやすい形で含まれています。

動物性由来の鉄や亜鉛は、植物性のものより吸収率が高いことが知られています。

ただし、生食の場合はノロウイルスなどのリスクがあるため、中心温度85~90℃で90秒以上の加熱を行うなど、安全な調理を心がけましょう。

参考サイト

ノロウイルスに関するQ&A|厚生労働省

「海のミルク」という名前の由来

この呼称は、見た目の白さだけでなく、栄養バランスの良さをたたえる意味合いから広まりました。

特に日本では、古くから冬の滋養食として牡蠣が珍重され、「海の恵みがぎゅっと詰まったミルクのような食品」として愛されてきたのです。

まとめ ― 牡蠣は“ミネラルの宝庫”であり、現代人にこそ必要な食材

牡蠣が「海のミルク」と呼ばれるのは、豊富な亜鉛・ビタミンB12・鉄・セレンなどを含み、人間の健康維持に欠かせない栄養素をバランスよく備えているからです。

カルシウムやビタミンDは牛乳に譲るものの、ミネラルと微量栄養素の濃度では、牡蠣が圧倒的に優れています。

免疫力を高めたい方、疲れを感じやすい方、貧血気味の方にとって、牡蠣は理想的な栄養補給源といえるでしょう。

旬の時期には、加熱調理を中心に安全に取り入れて、“海のミルク”の恵みを存分に味わってください。

以上、牡蠣が海のミルクと呼ばれる理由についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

行野伸一のアバター 行野伸一 代表,マーケター

牡蠣と酒 もんげーひなせの運営責任者。
飲食業界は10年以上の経験があり、Webマーケティング事業のnextcircleの代表も務める。
保有資格:ジュニアオイスターマイスター・かきオイシスト

目次