牡蠣を食べた時に胃がむかむかする理由について

胃のむかむか,イメージ

牡蠣は「海のミルク」とも呼ばれるほど栄養豊富で、旨味も強い食材です。

しかし、中には「食べた後に胃がむかむかした」「胸焼けのような不快感が続いた」と感じる人もいます。

その原因はいくつかあり、大きく分けると 食中毒・感染・消化不良・アレルギー・体質や食べ方の問題 に分類できます。

以下で詳しく解説します。

目次

食中毒やウイルス感染によるもの

ノロウイルス

冬季に特に多いのがノロウイルスです。

牡蠣は海水を濾過して栄養を取り込む生き物のため、水中のウイルスを体内に蓄積することがあります。

加熱が不十分な牡蠣を食べると感染し、24〜48時間後に胃のむかつき・嘔吐・下痢・腹痛などの症状が現れます。

特に冬の生牡蠣が原因になることが多いです。

参考サイト

ノロウイルスに関するQ&A|厚生労働省

ビブリオ属菌(Vibrio parahaemolyticus / V. vulnificus)

夏季に多い細菌性の食中毒原因です。

加熱不十分な牡蠣を摂取すると、吐き気や胃のむかつき、腹痛、下痢を引き起こすことがあります。

免疫力が低い人や肝疾患を持つ人が V. vulnificus に感染すると、まれに重篤な敗血症や壊死性筋膜炎を起こすことがあるため注意が必要です。

A型肝炎ウイルス

生・半生の二枚貝(牡蠣・アサリなど)を介して感染することがあります。

潜伏期間は15〜50日と長いため、食後すぐに症状は出ませんが、長期的な肝炎症状を引き起こす可能性がある点でも注意が必要です。

消化不良によるもの

牡蠣は高タンパクでミネラルが豊富ですが、生の状態では消化に時間がかかることがあります。

特に胃腸が弱い人や空腹時に大量に食べた場合、胃の中で滞留し、むかむか・膨満感・胃もたれを感じやすくなります。

また、冷たい状態で食べると胃の働きが一時的に鈍くなることもあり、これも不快感の一因になります。

アレルギー反応によるもの

一部の人は、牡蠣や他の貝類に含まれるたんぱく質に対してアレルギー反応を示すことがあります。

軽い場合は胃のむかむかやかゆみ程度ですが、重症例では蕁麻疹・喉の腫れ・呼吸困難を伴うこともあります。

摂取後すぐに症状が出る場合もあれば、数時間経ってから現れるケースもあります。

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牡蠣のアレルギーについて

ヒスタミン中毒(まれ)

ヒスタミン中毒は、主にマグロやサバなどの赤身魚が原因で起こる食中毒の一種で、牡蠣ではまれです。

ただし、保存状態が非常に悪い牡蠣を食べた場合に似たような症状(吐き気・頭痛・顔のほてりなど)が出ることもあります。

一般的には、牡蠣によるむかむかはヒスタミン中毒よりも細菌やウイルス感染・消化不良による可能性が高いです。

胃酸過多・体質によるもの

体質によっては、牡蠣の成分が胃酸分泌を促進し、胸焼けや胃のむかむかを起こすことがあります。

特に空腹時やストレスが強い状態では胃酸が多く出やすいため、症状が強くなることがあります。

食べ過ぎによる影響

いくら美味しくても、牡蠣を一度にたくさん食べると胃腸への負担が増し、消化不良や膨満感が起こります。

特に生牡蠣を大量に摂ると、胃内で冷えや停滞が起きやすく、むかむか感の原因になります。

胃のむかむかを防ぐための対策と予防法

新鮮な牡蠣を選ぶ

生食用の牡蠣を選ぶ場合は、信頼できる販売元で購入し、消費期限内に食べるようにしましょう。

鮮度が落ちた牡蠣は食中毒リスクが高まります。

加熱調理して食べる

生よりも加熱した牡蠣の方が安全性が高く、消化も良いです。

内部温度が85〜90℃で90秒以上になるよう加熱することが理想です。

蒸し牡蠣・焼き牡蠣・牡蠣フライなどの調理法なら、食中毒のリスクを大幅に減らせます。

食べる量に注意する

いくら新鮮でも、一度に多く食べないことが大切です。

体質やその日の体調によって許容量が異なります。

「3〜4個程度を目安に様子を見る」といった控えめな食べ方がおすすめです。

消化を助ける食材と組み合わせる

レモンやおろし生姜などを添えると、風味を引き立てつつ胃への刺激を和らげる効果が期待できます。

ただし、これらはあくまで“消化のサポート”であり、ウイルスや細菌の殺菌効果はほとんどありません

安全対策としては、やはり加熱が最も重要です。

高リスクの人は生食を避ける

肝疾患・糖尿病・免疫力が低い方・高齢者・妊婦などは、生牡蠣を避けるのが安全です。

ビブリオ属菌に感染した場合、重症化リスクが高くなることが知られています。

もし胃のむかむかが続く場合は?

食後すぐの軽いむかむかであれば、半日〜1日で自然に治ることもありますが、嘔吐や下痢が長引く、発熱や脱水症状がある、皮膚が赤く腫れる、強い腹痛がある場合は、感染症やアレルギーの可能性があります。

自己判断せず、早めに医療機関を受診しましょう。

まとめ

牡蠣を食べた後の「胃のむかむか」には、ノロウイルスやビブリオ菌などの感染、消化不良、アレルギー、体質的な要因などさまざまな原因があります。

とくに生食の場合は、どれほど鮮度が高くてもリスクはゼロにはならないことを理解しておきましょう。

安心して牡蠣を楽しむには、

  • 信頼できる店で購入する
  • 十分に加熱する
  • 食べ過ぎない
  • 体調が悪いときは生食を控える

この4点を意識することが何よりの予防策です。

適切な知識と対策で、安全においしく牡蠣を楽しみましょう。

以上、牡蠣を食べた時に胃がむかむかする理由についてでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

行野伸一のアバター 行野伸一 代表,マーケター

牡蠣と酒 もんげーひなせの運営責任者。
飲食業界は10年以上の経験があり、Webマーケティング事業のnextcircleの代表も務める。
保有資格:ジュニアオイスターマイスター・かきオイシスト

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